SONHO

今週末はTEAM SUPPORT活動として僕が担当する横浜港北区のチームFC COJBの大会運営をお手伝いしてきた。

このCOJB実はフットサル好きにはたまらないOBを輩出している。LUZクルー初代メンバーの豊島明。森岡薫氏、久光重光氏などなど、、、代表の今野氏はあのKING KAZUがBRASILに行った後、あの時代にBRASILに渡り自身プロ選手として活躍していた。魂がBRASILの今野氏が日本の根底からレベルアップを目指したいと立ち上げたのがFC COJBだ。

僕自身のCOJBとの出会いはLUZ誕生の頃、15年前、RODA立ち上げ時の一番初めのお店の時川崎フロンターレのオフィシャルショップのSHOP in SHOPとしてRODAを運営していたのだが、川崎フロンターレのホームゲームの日は毎回会場に販売に行っていて、そこの販売アルバイトを手伝ってくれていたのがCOJBの面々だった。

そこから13年経ち、久しぶりに会った平野コーチからLUZでチームオーダーをしたい。というお話からCOJBのウェアを担当する事になった。

LUZ TEAM SUPPORTの一番の考え方は、モノとモノの付き合いだけではなく、人と人との付き合い。モノだけではなくコトを共に共有しお互いに明るい未来を歩みたい。と言うと大げさかもしれないが、チームさんが困っている事を共に考え行動していく。という指針が一番大事な事と捉えその手助けになれればと活動をしている。

COJBの練習に行き、今野さん、平野さんとそのお話をして何が出来るだろうと色々な困り事を聞いてみて、一番皆が楽しめてイイネ!となったのが大会の開催だった。

FC COJBはジュニアユースのクラブチームだ。

昨今のジュニアユースの受験化は凄まじいものがある。プロを目指すサッカー少年が先ず目指すのはJリーグの下部組織。次いで強豪と言われるクラブチーム。Jの下部組織はモチロン、クラブチームも通常はセレクションという入るためのテストがある。学校で言えば偏差値の高い学校にいかに入れるか?というところ。ジュニアユースクラブチームに入るためにはこのテストに合格しなければいけない。6年生と言えどもまだまだ身体的特徴にもバラつきがあるはずで、例えば身体の小さな子がセレクションに落ちたからと言ってそこで将来が決定されるわけでは無いはず。しかし、クラブに入れなかったからサッカーを止める。という決断をするという話もあるようで、、それは本当にあんまりな判断だと思う。

今回開催した大会でCOJBが一番伝えたかった事。

プロ選手になりたいという夢は実現できる!

という事。COJBはノンセレクションチーム。テストなしでもう合格。要はどんだけ上手くても、初めてボールを蹴る子供でも誰でも合格。ただしプロ選手になりたいという強い気持ちが必要。そんな子供達が集まっているチーム。

だから、強豪クラブチームのテストに受からなくても、まだまだ諦める必要はない。そんな子供達を応援するチームが横浜にはあるんだよ。と伝えたい。そしてそれを伝える事こそまた僕の使命だと感じた。

何度も打ち合わせを重ね、一番大事なことは先ずは開催する事。計10チームのU12カテゴリーを集めて、ジュニアのフットサル大会を開催した。場所はアオバスカイフィールド。2002年W杯決勝の舞台をバックにボールを蹴るなんてそれこそ大きな夢がある場所だ。

準備を進めて滞りなく時は流れた。

しかしそこでCOJBからこんな提案が

『大会優秀選手7名と最後にCOJB U13メンバーでエキシビジョンマッチやったら面白くないですか?』

タイムスケジュールには入っていないいきなりの提案。いやしかし、、、と同僚に相談すると、、、

『COJBさんが望んでいるならやってあげるべきでしょ。』と心にストンと落ちる一言。ああ、そうだよなCOJBさんのためにやっているんだからやるべきだなと。

大会は順位決定戦が終わり閉会式。優秀選手にはなんと日本では手に入らないだろうBRASILユニフォームから小物の景品贈呈。そして閉会式に、、、突然ですが優秀選手とCOJB選手とのスペシャルマッチを開催したいのですがどうでしょう?とコーチ保護者さんに求めたら拍手が。かくしてフットサルから全面ソサイチコートでのサッカー対決に。急造チームにLUZビブスを着てもらって、ガチンコ対決。これはこれでCOJBの選手にはプレッシャーな訳でカテゴリー1つ下には絶対負けられない。熱い気持ちでいい試合になった。COJBが1点を取り見事勝利。急造チームメンバーにはとてもいい体験になったと思う。

 

COJBらしい大会になったと思う。

らしいと言えばもう一つ印象的なコンテンツがあった。COJBのOB選手で現松本山雅所属 宮部大己選手、Y.S.C.C横浜所属 吉野裕太郎選手から子供達に向けたメッセージをCOJBの現役選手が閉会式に朗読するというもの。

打ち合わせ時、朗読ですか?と今までの大会では聞いたこともない事で子供達が真剣に聞くか大丈夫かなと感じたのが正直なところだった。

しかし、これがまた本当に良かった。現役のプロ選手からだったからか、6年間サッカーをやっていて、色々感じるところがあったのか、、、子供達は真剣な眼差しになりそのメッセージを聞いていた。

その内容も本当凄く心に刺さる内容だったので紹介したい。まさにSONHO(夢)を語る2人の選手の言葉。

Y.S.C.C横浜所属 吉野裕太郎選手からのメッセージ


みなさん、こんにちは。YSCC横浜所属の吉野裕太郎です。
今日は皆さんの前でお話ししたかったのですが、予定の都合上行くことが出来なかったので、メッセージで伝えさせてもらいます。

小学生時代はYSCCのジュニアチームで6年間、中学生時代はFCCOJBで3年間プレーしましたが、ただサッカーが大好きなごく普通の選手でした。憧れだったマリノスや横浜FCのセレクションは一次試験も合格できなかったし、市のトレセンにも合格したことは一度もありませんでした。
それでも絶対にプロになりたいという気持ちは変わらず、中学卒業後、FCCOJBの紹介でブラジルに行くことを決意しました。

家族には半端じゃない負担や、不安な気持ちにさせてしまったと思っています。ただその覚悟を承知でブラジルに挑戦しました。結局、トータル6年間ブラジルで過ごし、その内の4年間は一度も日本に帰国せずブラジルで挑戦し続けました。両親は金銭的にも精神的にも相当大変だったと思います。それに加えて、ブラジルで出会った方々にもたくさん助けてもらいました。そのおかげでブラジルでプロサッカー選手になる事ができましたし、帰国した今も、関東リーグのエスペランサscを経て、YSCC横浜でプレー出来ているのだと思います。

皆さんに今伝えたいのは、自分が本気で心からプロサッカー選手になりたいと思うのならば、そこに今出来る全てを捧げてほしい。そして、支えてくれる家族に対して感謝の気持ちを忘れないでほしい。当たり前にサッカーが出来ること。今使ってるスパイク、ボール、服ひとつ一つは家族や多くの人の支えがあって君達の手元にあります。その事を決して忘れないでほしい。

経歴やどれだけ上手いか下手かなんて関係ない。
「絶対にプロになるんだ」という強い気持ちを持ち続けて、これからのサッカー人生を歩んでください。応援しています。


松本山雅所属 宮部大己選手からのメッセージ


はじめまして、松本山雅FCの宮部大己です。自分の小学生の時の将来の夢はサッカー選手でした。

中学生の時の夢もサッカー選手でした。この頃までは純粋にプロサッカー選手になりたいと思っていました。でも高校になると考えも大人になり、自分にはサッカー選手は無理だなと思ってしまいます。化け物みたいな選手や上手い人に出会うとそう感じてしまいます。上には上がいる、自分にはできない。周りの人達もさすがにもうサッカー辞めた方がいいのではないか?と現実を見ろと言われました。

でも辞めなかった。サッカーが好きだから。楽しいのに辞める必要なくない?今みんなが思っているサッカーが楽しいという思いは絶対に捨ててはいけません。楽しいという思いがあるだけで、未来や将来が広がる。そんなありえないことを自分は証明できたと思っています。

どうせ子どもの頃からうまかったんでしょ?って思ってる子がいるかもしれませんが、本当の凡人でした。選抜も入っていない、強豪クラブでもない。なのにプロになることができた。なぜならサッカーが誰よりも好きだから。どんな状況でもサッカーを楽しんで欲しいと思います。

夢を叶えた自分にもまだ夢があります。それは日の丸を背負って日本代表でプレーすることです。そう、ムリです絶対。でもサッカーが楽しいので自分はこの夢に対して挑み続けます。いつか同じピッチで!


この朗読を聞いていて泣きそうになってしまったのは僕だけではないはずだ。

かくして COPA SONHOS 夢の大会は無事に終了。

気付けばあっという間の4時間。凄くいい経験をさせてもらった事に本当に感謝しかない。様々な人の協力があって本当にイイ大会になったと思う。モチロンCOJBの方々にも喜んでもらえた。早速次はいつやりましょうか?もっと面白くするには?もっとBRASIL感出しましょう!など話し合った。

想定しなかった事も、仲間の言葉で救われた。それはまるでFOOTBALLのよう。なんだってFOOTBALLの試合と同じ感覚。

AI化がどんなに進んでも人が出来る最高の仕事は人を喜ばす事だと思う。これからもFOOTBALLのような人生。人生のようなFOOTBALLを楽しもう。

Domingoと共に。

 

 

photo by 365日がシャボン玉日和