ルースのフットサルシューズAXIS-1を履いてフットサルワールドカップを戦ったパッシャン。日本から深夜の放送にかじりついて観ていた人も多いはず。あの興奮から約1ヶ月経ち世界の舞台で戦ってきて感じたことを1戦づつ振り返ってもらうロングインタビュー。
(2021oct.interview)
(2021oct.interview)
LUZ/ まずはヨーロッパの現地に入って準備期間はどのくらいあったんですか?
Passyan/ リトアニアに入る前に国内合宿などを合わせて約1か月くらいありました。そこからヨーロッパに入りスペインとポルトガルを行き来しながら、ポルトガル、スペイン、アルゼンチン、ベネズエラ、モロッコ、ベトナムなど強豪チームと親善試合を通して本番に挑みました。
LUZ/ じゃかなりワールドカップ入る前には、準備できてたんですね?
Passyan/ 臨戦体制を整えてました。リトアニアに着いた時にはワールドカップモードになってましたね。
LUZ/ ではまず大事な初戦のアンゴラ戦について聞いていきたいんですが、結果からみれば8vs4で快勝した感じがしましたが実際ピッチレベルではいかがでしたか??
Passyan/ そうですね、得点が入るまでも自分たちの形だったり、自分たちのリズムで試合を進められていた感覚はありました。相手の情報の中にもサプライズを起こせる選手が多く、身体能力も高く脅威に感じる部分もあったんで、その辺は注意しながらやってました。前半はなかなか点が入らずもどかしい時間帯もありましたけど、時間が進むにつれて得点を重ねることが出来て試合を通してタフに闘うことが出来ました。ワールドカップ初戦としては、殴り合いのような展開でしたけど、勝ち点3取れたっていうのはチームにとっても大きな自信にもなったんじゃないかなと思います。
LUZ/ 初戦終わってどうでした?チームの雰囲気としては?
Passyan/ 初戦に自分達が思い描いていた結果を出せた事はホッとしていた部分はありましたし、W杯の舞台で勝ち点3を獲得出来たことには喜びを噛みしめていました。しかしその時間も短かったし浮かれることなく、次のスペイン戦に向けていい準備をして、メンタルやマインドは次に向かっていました。
LUZ/ 2戦目が世界ランク1位の強豪スペインとでした。そして前半2vs1で日本が勝って折り返すという震える展開に深夜にテレビの前でかなり興奮して観てましたが、実際のピッチではどんな感じでしたか?
Passyan/ 地に足つけてプレー出来てる感覚があったんで、リードしてるってのもあったし、スペインが自分たちのプレッシングを嫌がってる事も表情などで受け取れていました。自分たちのストロングポイントでボールを奪取して先制点を取る事が出来た。自分達が積み重ねてきたものがこの舞台で世界ランク1位に通用していた事が自信となりプレー出来ていたと思います。どちらかというと、自分たちの流れで前半は試合運べてたんじゃないかなと思いましたね。
LUZ/ 勝って折り返したときのロッカーの雰囲気は?
Passyan/ やっぱりこのために準備してきたんで、自分たちのやることやってこういう結果が出せてるから、それは自信を持って続けていこうってポジティブな声掛けをして後半に挑みました。少しの気の緩みを見せると相手は噛み付いてくるから高い集中力と強度は前半よりも高めていくマインドを共有して後半に臨みました。
LUZ/ 結果から言うと後半0vs3でトータルスコア2vs4で負けてしまいましたが、後半のピッチはいかがでしたか?
Passyan/ そうですね、強豪国って言われるチームにはタフさがある。スコアでは日本が勝ってるはずなのに、なんか妙に落ち着いてる。あのレベルになると1つのエラーで流れが全てが変わってしまう。そのミスを起こさないようにどう進めて行くか。逆に自分たちがミスを食っていけるかどうか。勝負を決める所に凄く大きな差があるんじゃないのかなと感じましたね。とは言え、前半同様にイニシアチブを握って戦えている感覚もありましたし、個人的にもチャンスはありました。
LUZ/ 第2戦スペイン戦は落としてしまったんですがチームの雰囲気はいかがでした?
Passyan/ そうですねワールドカップやる前、親善試合でスペインと一回やってたけど、親善試合では感じれなかった事やオフェンスの部分で味方とコミュニケーションが増えていた。親善試合では見えなかった所に自分達から改善しようとしている姿に成長を感じていたし、前進しているなと思ってました。自分たちの成長が見えて、どっちかっていうとポジティブな感覚。負けてしまったけど全然やれなかったって感じではなかった。けどやっぱり、勝ててないことに全員が満足してない。その結果を自分達の手で掴み取りたい。そういう雰囲気は初戦よりも強く出ていたと感じました。
LUZ/第3戦は世界ランキング10位とこれまた強豪のパラグアイ戦でした。前半は1-1で折り返しました。パラグアイ戦は見ててやれてるなって感じだったんすけどピッチではどうでしたか?
Passyan/ パラグアイ戦も、先制点取れて流れ的にはアンゴラ戦のように自分たちが主導権握りながらプレー出来てる感覚もありましたけど、なんかスペイン戦と似てて、本当に慌てないんすよね。自分たちに置き換えた時に、自分たちもっと慌ててプレーする場面だったり過剰に反応したりするんすけどそういうとこがない。現実を受け入れている強さ。そこの精神的タフさっていうのは、ベスト8以上行くチームでは何かが違うんだなっていう感覚がパラグアイ戦でも感じましたね。
LUZ/ パラグアイ戦も結果1vs2で負けてしまいました。終わった後のロッカーはどんな雰囲気でしたか?
Passyan/ スペイン戦とは違った雰囲気でした。ちょっとダメージくらってましたね。引き分け以上なら自分達の力で次に進める事が出来たけど敗れてしまった。悔しさから下を向いている選手もいました。でもあの試合終わった後で選手だけで円陣を組んで、「この結果に対しては重く受け入れなきゃいけないけど負けたからって終わりじゃない。それでもグループステージを突破出来る事、勝ち得た自分達も誇りを持たなきゃいけないし今までにも勝ち得てきたことに自信を持ってやらなきゃいけない」っていう風にみんなで共有した。キャプテン筆頭に小さなミーテイングをピッチ内でやったんです。あれは次に向けて、すごい短い時間だったけど、すごくいい時間だったなと思いました。あれがなかったら、多分マインドリセット出来ずに下を向いてロッカールームに引き上げていたと思うのですが、みんなの表情に変化もあり、次を見据えた表情に変わったと思う。
すごい強烈な時間だったなって僕はすごい感じましたね。
すごい強烈な時間だったなって僕はすごい感じましたね。
LUZ/ そっからのラウンド16で世界ランキング2位のブラジル戦ですよ。これがマジで震えましたね。前半1vs1とこれまた好ゲームな展開でした。ピッチではいかがでしたか?
Passyan/ そうですね、入りから自分たちのやることはもうずっと変わんないし、ブラジル相手にも自分たちの積み重ねてきたものを全力でぶつけました。すごい嫌がってるなっていう事を肌感覚で感じました。前半、相手を脅かす事が出来るんじゃないかって思ってたしスペイン戦もそうでしたけど、全然やれないなって感じもなかった。先制点を取る事が出来、得点を動かすことが出来た。自分たちの希望じゃないっすけど、光が見えてた前半だったんじゃないかなっと思いましたね。
LUZ/ 前半1vs1でロッカー戻ってどういう話ししてたんですか?
Passyan/ 気のゆるみとか許させない雰囲気。細かい戦術の確認からマインドの部分で整え、そしてブラジルを暗闇に引き摺り込もうと。
一人ひとりが緊張感を持って後半に向かいました。
一人ひとりが緊張感を持って後半に向かいました。
LUZ/ 後半始まって、1-1から決められて1-2、1-3になって、日本のパワープレーでパッシャンの左が決まりましたね!!あれで2vs3になって流れ変わってイケるかも!ってなりました。ブラジルから得点いかがでしたか?
Passyan/ ぶち込みましたね!!気持ちよかったっす(笑)綺麗なコースが見えたんで。あの一瞬はもう、なんといえばいいか言葉にするのが難しいっすけど。あの時間帯を考えると、自分たちは終わってないし、終わらしちゃいけない、ブラジルを落ち着かせない為にも、そして自分たちが学んできた教訓を活かしすこしでも隙があるならば噛みついて離さないと示したかった。でも本当応援してくれるみんな、サポーターも来てくれていたり、SNSなどを通じて応援してくれてるのは自分たちには重々伝わってたんでその念が後押ししてくれたっていうか、そんな感覚でしたね。
LUZ/ 最終的には2vs4で負けて日本のWCは終わりました。総評になっちゃうけど、ワールドカップの舞台に立ってみて日本のアイデンティティーと、それにたいして通用した部分としなかった部分をちょっと聞きたいのですが。まずフットサル日本代表としての強みというか通用したことってなんですか?
Passyan/本当に規律とか秩序、規則を持つ部分では、どの国より突出してる部分だしこの大会でそれが武器なんだよっていうのは知らしめることが出来たんじゃないかなっと。示せたと思う。日本人ならではの良さっていうのはこの大会でははっきりしたんじゃないかなと思いますけど。でも、やっぱりそれだけじゃ勝てない部分も見えて、やっぱりそれを凌駕していく個人技術だったりサプライズ起こす個の力だったりってゆうのは絶対的に必要だなっていうふうに感じました。ベスト16で止まるチーム、ベスト8、ベスト4に入ってくチームはそう言う部分にすごい長けてるしクオリティーが高い。勝負所にだす集中力やエネルギーは凄まじいものがある。そういった部分は緊張感持たないと磨きたくても磨けないと思います。日本人らしさにもっともっと磨きをかけてレベル1上げるのではなく、3、4上げる事。そして+α。自分自身のストロングポイントとなる部分を忘れずに個の力、サプライズを起こすものを武器にすることが、その先の結果だったり日本の未来につながって行くんじゃないかと思いましたね。
LUZ/ AXIS-1は何足持って行って、どういうルーティーンで履いていましたか?
Passyan/ AXIS-1を5足持っていきました。どれもある程度、履き慣れて足に馴染んでるその中でも、まぁまぁ使ってるのと、あんま使わないのってバランスよく履いて最終的に試合用と練習用で分けて使ってました。その中でも一番ベストな状態のシューズを最終1足選んで、試合ではそれを履いてましたね。
LUZ/ いやぁでもホント良かったです。ブラジルからルースのシューズで点決めて。
Passyan/ でも本当嬉しかったすね。一緒にシューズの開発から関わらせてもらって最終的にワールドカップの舞台立てたのが。
LUZ/ 最後に、LUZってもちろんパッシャンみたいにTOPプレーヤーを全力でサポートしつつフットサルの裾野って意味では特に子供もそうだけど夢を持ってプレーしてる人たちをサポートして行きたい。LUZとして提唱してるのは、一生ボール蹴って「生涯現役」っていうのが一つテーマにあるんですが、フットサルを追求してきたパッシャンだからこそ、フットサルしてる人たちや上を目指す人達に伝えたいことありますか?
Passyan/ 夢って結構見るじゃないっすかみんな。自分も見てたしこれから先も漠然としてはあるんすけどやっぱりそれを叶えるものって結構大変だし、偶然だけでは叶えられない。そんな簡単ではない事もみんな理解していると思います。でもその夢を形にする為にも、短くても長くてもいいから明確な「期限」を設ける事。夢→目標→挑戦(チャレンジ)に変ってくる。期限を設けた瞬間からそれが目標に変わる。今まで受動的だったものから自主的に自分の意思で動く。ここからが初めて挑戦になる。その挑戦をぜひ楽しんでほしいと思います。その挑戦をしていく中で、つまずく事や踏みとどまる事も必ずある。自信をなくす時もあるけどそういった時こそ振り返ってみて自分自身が勝ち得てきたにも目を向けて、噛み締めて誇りに思いまた歩み続けて欲しいなと強く願います。そうやって歩んできた時間は非常に価値のあるものになるものだとW杯を通して自分は感じたので、ぜひ挑戦(チャレンジ)を楽しんで欲しいなと思います。